稚内港北防波堤ドーム わっかないこうきたぼうはていどーむ

稚内港北防波堤ドーム(わっかないこうきたぼうはていどーむ)は、高さ13.6m、長さ427m、柱の数は70本もある防波堤です。1931年から1936年まで 5 年かけて建設された、稚内港のシンボル的存在の建造物です。2001年に、北海道遺産に認定されました。 古代ローマ建築のような太い円柱と半アーチ形のデザインは、世界でも類のない建築物として国内外の注目を浴びています。 ここは以前、稚内と樺太(現ロシアサハリン州)とを結ぶ連絡船の発着場として使われていました。稚内は、一年を通じて風が強く、波が高い地域です。この半アーチ形のデザインとなる前は、波が防波堤を越え、乗船客が海に転落する事故もありました。そのため、波や強風を防ぐために、この形が造られました。設計は、北海道大学を卒業し、北海道庁の技師として、稚内に赴任してきた当時26歳の「土谷実(つちやみのる)」が行いました。 1938年には、列車の線路が北防波堤ドームの端まで伸び、そこに稚内桟橋駅(わっかないさんばしえき)ができました。これにより、乗客は列車から降りて、そのまま船に乗ることができるようになり、樺太へと渡る人々でとても賑わいました。 2016年には、完成してから80周年を迎え、現在に至るまで稚内の街を見守っています。 また、北防波堤ドームの手前には、「しおさいプロムナード」があります。これは、1987年に完成した、北海道内でも珍しい護岸部分に設置した遊歩道です。長さ215mあり、潮風を浴びながら宗谷湾の景色を眺めることができます。 ※北海道遺産とは…北海道の自然や歴史、産業など、北海道民全体の宝物として選ばれるもの。 (「稚内港北防波堤ドーム」・「稚内桟橋駅」その他関連スポット:稚内市樺太記念館、稚内市北方記念館)