樺太島民慰霊碑 氷雪の門 (からふととうみんいれいひ ひょうせつのもん)
この氷雪の門(ひょうせつのもん)は、太平洋戦争当時、日本領であった樺太(現在のロシアサハリン州)で暮らしていた皆さんの、故郷への想いと樺太で亡くなった人々の慰霊碑として、昭和38年(1963) 8 月20日に建立されました。
毎年、この8 月20日に、樺太ゆかりの人々が集まり、亡くなった方の慰霊祭が行われています。
慰霊碑は、黒大理石の高さ 8 mの門と、雪と氷の中で厳しく生き抜きそして敗戦の失意(しつい)から再びたくましく立ち上がった人々を象徴(しょうちょう)する高さ2.4mの女性像の2つの彫刻作品から出来ています。
真ん中の女性像(ブロンズ像)には、それぞれの意味が込められています。顔は、戦争で自分達が受けた苦しみを表し、手の平を見せているのは、樺太も家族も、すべてを失った事を表し、足は、その悲しみや苦しみから早く立ち上がろうと表現した物で、その足の間の波模様は、海峡を表し、胸の 3 本のV字は、雪と氷と風を表しています。
氷雪の門は、肉眼で樺太を見ることができる、この稚内公園に、樺太に住んでいた方など関係者を中心に、全国各地からの心温かい支援を受けて完成したものです。
作品は札幌市出身の彫刻家の本郷新(ほんごう しん)によって作られ、教科書にも掲載されるなど芸術性の高い作品として知られています。